目撃内容 その36 「〜虚構世界をリアルに描いた〜 石原豪人展」 弥生美術館 2004年7月1日(土)〜9月26日(日) おすすめ度★★1/2 |
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乱歩が少女クラブに連載した「搭上の奇術師」と「魔法人形」の挿絵を担当した石原豪人の展示会です。 画風は写実的で男女とも彫刻のように端正、しかもハリウッド悩殺女優ばりの大人の色気がムンムン。大雑把な分類で申し訳ないんですが、青年誌向きの絵といえそうな・・・。それでも、少女誌に挿絵を入れると少女誌の挿絵に見えるのだから不思議です。 で、今回展示されていたのは上記のとおり乱歩ものでは2作品。見どころはやっぱり女装姿(魔法人形)の小林君でしょう。小林少年が隠れている鎧櫃に赤堀老人によって刀剣が次々とつきたてられ、あわや串刺しの恐怖に身をくねらせ顔をひきつらせる(女装の)小林くんが見ものですv おみあし、ツルツル、見事に美少女。さすが女装姿の小林君は少年探偵団の宝だけのことはあります(←私説、ただし『怪人と少年探偵』でのポケットくんには同意してもらえると思う)。それからこれはあんまり見たくないシロモノだったんだけど、ゴリラの着ぐるみ姿の二十面相もありました。「おれがおまえたちのような子供にやられるわけがない」とかなんとかおっしゃってるようですが、すでにやられてゴリラのお面を少年たちの手ではがされてるんですけど。しかもそのときの彼の顔は西洋悪魔風(=サリーちゃんパパ)、もちろん身体は毛むくじゃらのゴリラという痛い姿に思わず笑顔が歪みます。(はあ、情けない・・・けど楽しい☆) 同じ変装でも「搭上の〜」でスミ子ちゃん兄に変装した二十面相は昭和30年代の日活青春映画宣伝用大看板にかかれた主役のようにかっこよくて面目躍如。ええ、そうですとも、いくらコスプレ愉快犯の二十面相でもゴリラやピエロだけじゃ気の毒です。 コスプレ・マニアの二十面相は脇に置いて、日本髪姿の紅子人形、振り袖に垂らし髪、大きな花簪をしたユリ子人形などはとても美しい挿絵でした。編集者に「振り袖を描だけでも色っぽすぎる(要約)」と注意されたようなことが展示室の説明にありましたが、この挿絵のことだったのでしょうか?(固有名詞が出てなかったので真偽のほどは定かではございませんが、少女フレンドらしい?)。そう言えば日本髪の紅子は喪服の未亡人か小山田夫人のような色香がありました。 「搭上の〜」は雑誌がそのまま展示されていたけど、「魔法〜」はページを切り抜いた上に文章部分も切り抜かれて展示してありました。何故? 著作権かなにかが関係してるんでしょうか? 乱歩関係の他に空想画、芸能人似顔絵、大人向け挿絵など幅広いジャンルにおよびなかなか見応えがあって楽しい展示会でした。 最後に一言。 図録ないんですね? プログラムも? 展示物解説書なにも無いんですね? 自分で見て覚えていけってことなんですね? 見た先から忘れて行くトリ頭なもので出品作品目録ぐらい出して欲しかったです。 どうでもいい追記:石原豪人の若い頃は彼の挿絵に似た二枚目さんでした。 関連記事 当HP内「二十面相談話室」:2004/07/07 |
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2004年7月3日 弥生美術館 |