目撃内容 その30 「明智小五郎vs悪の軍団」 作=佐野崇匡 劇団東京ミルクホール おすすめ度★1/2 |
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「オバラ座の怪人二十面相」を観に行ったとき、ホールの散らし置き場でこの公演を発見。「明智小五郎か〜、チェックだな・・・」と、いとも簡単に見に行く気になったわたし。 小劇場らしいとは思ってましたが正直ここまで小さいとは想像だにしませんでした。だって、すごく狭くて急な階段を下りた地下にあるんですよぅ・・・。そのうえ早く来すぎて誰もいないの。階段の下のぞき込んで様子伺っちゃいました。さすがに開演近くなると人も続々とやってきて中は満員の大盛況となりました。 お席はどこに座ってもよ〜〜〜く見えること請け合いです。高校のクラスでやった演劇よりも舞台が近い。真横、真ん前にいるって感じで遠くからしか舞台を観たことない人間にとっては、どこに目線をおいてよいのやらわからず無駄に困惑するくらいの近さです・・・・。困惑しました。 さて、内容の方は 「昭和5年、東京、先祖代々由緒正しき悪の組織カメヤ山田家六代目当主徳兵衛一党は、時価数億円といわれるダイヤ・アポロンの涙を頂戴すべく計略を巡らせ明智を手玉にとって見事奪取、が、逃走に使ったレンタカーで足がつきすぐにアジトが発覚、別のアジトに逃げるも外の敵より内の敵、次期首領となるべき息子の俊夫は悪の軍団は嗣がず教師になると言いだし、ブレーンの番頭は泥棒術を学ぶためユダヤ人の組織に転職したいと言い出す始末。その上娘のきよ子はよりによって敵の明智小五郎にホの字になって当の徳兵衛は胸の病。警察に御用になるまでもなく悪の軍団は離散状態、さらに明智の命令で悪の軍団に潜り込んでいた小林少年によって新アジトも包囲され、元禄時代から続いた昔気質の由緒正しき悪の軍団カメヤは壊滅の危機に。しかし、そこへ出奔していた長男俊夫と海外修行に旅立ったはずの番頭が舞い戻り・・・」というようなお話。 これははっきりいってドタバタお笑いナンセンス劇場です。チラシには血で血を洗う地獄絵図、耽美でスタイリッシュな冒険活劇となっておりますが、それは反語だったのだと理解するのに5分もかかりませんでした。もうメチャクチャ。歌あり踊りありメロドラマあり、おもしろおかしく大騒ぎ〜。それに人情と家族愛のスパイスが少々。とにかく、ストーリーに破綻があろうが無理があろうがおかまいなし。すべて力業で乗り切ります。押せ押せのイケイケです。タケチャンマンとドリフと橋田壽賀子劇場と竹ノ塚歌劇団(スマスマ)がごちゃごちゃに入り交じったといったら雰囲気が伝わるでしょうか。そんな感じでした。 で、タイトルにもなった明智さんですが、ここの明智さんは劇中でも「西郷隆盛」の扮装をして出てきますが、お腹、出てます。衣装、身振りは陣内版。白のスーツに白のソフト帽。そして白のスニーカー・・・なんでなんだ!そこまできたら白のエナメル靴だろう! 対する悪の軍団首領は菊次郎ファッション。たけしのペンキ屋のおとっつぁんです。これも陣内・菊次郎。 これはこれで楽しいお芝居だったと思いますが、タイトルの明智探偵のキャラが弱いのがちょっと残念。アクション、しゃべりは陣内の100倍くらいオーバーにしないと、ほかのキャラが目立つから負けてしまうのです。見せ場ももう少しあったほうがよかったかなあ、主役なんだし。しかし、明智とくれば敵はやっぱり二十面相でしょう。次回やるとしたらぜひ二十面相をv それから、これは蛇足ですが、衣装の着付けはきちんとしたほうがいいと思います・・・。たかが着付けですが、きちんとしているかしていないかで、同じものでも(見栄えも評価も)あがったりさがったりするものだと思います。せっかくがんばって踊っているのに勿体ないです。 |
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2004年2月27日 |