×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。


目撃内容 その42
「乱歩地獄」
おすすめ度★

私が行ったのは土曜日のテアトル新宿。ほどほどの入り。両サイドの座席は一人一列占有可能な状況でした。 ロビーで乱歩地獄で使用された実際の衣装(『芋虫』から時子、須永、平井太郎。『鏡地獄』から透の白衣)と『蟲』の絵コンテの展示があり。衣装は全部『白』揃い。これで『芋虫』の明智の白い衣装があったら完璧だったのに。惜しい。 さて、と本編、本編ねぇ・・・・・。なんだっけ? なんだっけかなぁ! ああ、そうだ、好き嫌いが激しく分かれる内容だったと思います。私は嫌いじゃないけど二度は見なくていいな、と。



火星の運河
監督・脚本:竹内スグル
浅野忠信
shan

音響と映像だけのイメージ映画。山なし、意味なし、落ちなしの浅野忠信氏プロモーションビデオ。そんでもって浅野氏、終始一貫して全裸。女優さんも全裸。とにかくロン毛で尻マッパ。マッパ祭り。っていうかさぁ、火星の運河ってこんな話だったっけ? 男女の殴り合い(浅野忠信の役の人が一方的に相手を殴っているんだけど)なんて原作にあっただろうか。なかったとしたら、こんなシーンをわざわざ入れた理由はなんだろうか。面倒くさいので考えるのもイヤです。
ともかく、この作品がこの映画の方向性のすべてを物語っていたようです。短くてよかったです。



鏡地獄
監督・実相寺昭雄 脚本:薩川昭夫
齋透 成宮寛貴
齋梓 小川はるみ 山科小夜子 吉行由美
篠宮治美 大塚由祐子 小林芳雄 中村友也
明智文代 市川実日子 刑事 寺田濃
明智小五郎 浅野忠信

・・・・・なに、これ? これが鏡地獄ぅ? はぁ? 全くの別もんじゃない。あってんのはタイトルと球体鏡だけじゃない。原作のどこにS○縛りの蝋燭タラタラ・シーンが出てくるんだよ。(もしかしてあれか? 小間使いと鏡部屋で閉じこもりってシーンの拡大新解釈か?) にしても勘弁してよ。また原作読んでない人が変な誤解するじゃない(鬱) いやその前に、これじゃあ、江戸川乱歩の鏡地獄じゃなくて、監督さんのオリジナル鏡地獄だね。ああ、そうか。それならそれで別にいいんだ。別物、別物。
別物としてみたらそれなりによかったんじゃないですか。世にも奇妙な物語・深夜枠バージョンって感じで。
ところでこの鏡地獄には原作に出てこない明智探偵(ロン毛)、小林君(青年)、文代さんが出てくるんだけど、一番気になったのは文代さんですよ。文代さんは鎌倉の療養所で療養中って設定なんだけど、それがどう見ても精神病院なの。鉄格子付きの部屋で文代さんは車椅子生活。完全壊れている様子。文代さんの身に一体何があったのか、透が球体鏡の中で何を見たのかなんかよりよっぽど興味があります。文代さんの話が出た時の小林君の反応も気にかかるし、明智探偵事務所ではよっぽどの変事があったと見た。気になる、気になる。鏡地獄はもういいから、文代さんの壊れた原因についてやって貰いたいくらいでした。



芋虫
監督・佐藤寿保 脚本:夢野史郎
須永時子 岡元夕紀子 須永大尉 大森南朋
平井太郎 松田隆平
明智小五郎 浅野忠信 小林芳雄 韓英恵

前の列に座っていた爺さまが『芋虫』の途中で帰ってしまいました・・。

割と原作に忠実(厳密には違うけど。結末とか)。時子と須永廃大尉の歪んだ愛欲生活や嗜虐趣味なんかがこれでもかと映像化され、痛いの痛くないの、見ちゃいられません。けど、きっとそれでいいんだと思います。
舞台が原作の離れから荒野の廃屋になっているんだけど、それがまた世間から切り離され、人としての制約の外に行ってしまった夫婦を象徴しているようでよかったように思います。
ただ、平井太郎(乱歩の本名)は必要だったかどうか疑問。平井太郎が二人の様子を観察しているって設定だけだったなら、ありかな、とも思うけど、平井太郎=二十面相って落ちは本当にどうかと思う。なぜに二十面相? ここでムキになってもしょうがないけど、ヤツは愉快犯ですぞ。血を見るのが嫌いな怪盗で拳銃は常におもちゃか弾抜き(明智さんに抜かれてるんだけど)ですぞ。どっちかっていうと、覗いているつもりで覗かれている穴だらけの油断しまくりが彼の持ち味ですぞ。そんな二十面相が人間の四肢を切断して、アートだなんて思うもんかね。ホント、二十面相エピソードは余計だった。 そういや、明智探偵と小林少年も出てきてた。二十面相つながり? 蛇足の感が否めません。
(余談:松田龍平の流し目は色っぽくて惹きつけるものがありました。女優さんの裸より色っぽかったと思うのは気のせいでしょうかね。他の役も見てみたいものです)



監督・脚本:カネコアツシ
柾木愛造 浅野忠信
木下芙蓉 緒川たまき
皮膚科医 田口浩正


これが一番よかった。原作にかなり忠実。ただ、時代設定が現代と戦前が交錯しているようで不思議な感じ。芙蓉登場のシーンだけ戦前っぽい。木下芙蓉なんて女優、柾木以外誰も知らないようだし、どういうことでしょうねえ。芙蓉だけ過去から攫ってきたとか? 妄想にしてはちゃんと死体もあることだし。なんだったんだろう(これも考えるだけ無駄みたいなのでスルー)

とにかく、浅野忠信氏のブリーフ姿での怪演が強烈すぎて他は全部忘れました。(ろくでもないシーンばっか覚えててごめんなさいって感じです。) とにかく、柾木(浅野)が美しかった芙蓉が腐っていくのを目の当たりにして慌てふためき奔走するシーンはじめ、ブリーフいっちょで往来の激しい狭い路地の真ん中に立ち、ひたすら「ごめんなさい!ごめんなさい!」を連発、その上「ありがとうございました!」を連呼する姿が妙にユーモラスで微妙な笑いを誘います。(場内、苦笑)  しかもそのままの姿でふらふら歩き回りお巡りさんを捕まえて自分の犯罪を告白。おまわりさんには気の毒そうに苦笑され(場内、やっぱり苦笑)、最後は腐って醜く膨れあがった死体の腹にブリーフいっちょのまま頭をつっこみ、駆けつけた白衣の衛生局員(警察? 消防署員? 保健所? まぁなんでもいいか)にズボっと引く抜かれて、「あれ?」にまた微妙な笑い。はは・・「蟲」って実はユーモア作品だったんですね(そんなわけあるか!)
これはかなり面白かったです。4作品の中で一番のお気に入り。トリがこれで本当によかったです。


以上、こんなところです。きっと男女の究極の(ひん曲がった)愛を描きたかったんだと思うけど、そういう意図を汲み取るにはかなり芸術的センスが必要なんじゃないかと思います。何か感じ取る前に引いちゃって私にはこれ以上の感想を述べるのは無理。ごめんなさい。

2005年11月26日
乱歩地獄公式HP

back