×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。


目撃内容 その39
「ろう人形館〜20世紀を飾った人たち〜」
東京タワー3階
常設
おすすめ度 判定不能
(ステキなB級スポット)
東京上野公園の不忍池のそばに、ふしぎな建物がたちました。両国のもとの国技館をぐっと小さくしたような、まるい建物で、外かわの壁も、まる屋根も、ぜんぶ、まっ白にぬってあるのです。そして窓というものが、ひとつもありません。正面に小さな入口があってその入口の上に「中曾夫人ロウ人形館」というかんばんがかかっています。(略)
そのまるい建物は二階だてに地下室があり、その中を見物人の歩く道がぐるぐるまわっていて、道のかたがわ、または両がわに、いろいろなロウ人形の場面がつくってあるのです。 ロウ人形はみんな人間とおなじおおきさで、それに服が着せてあるのですが、ロウでできた顔がまるで生きているように見えるので、じつにきみがわるいのです。
ポプラ社「仮面の恐怖王/ロウ人形館」より抜粋

乱歩の少年探偵団シリーズ「仮面の恐怖王」はこんな具合に始まります。「仮面の恐怖王」が連載されたのは昭和34年で、東京タワーに日本初の蝋人形館が開館したのはその約10年後であったから、連載当時の子供たちは見たこともない蝋人形館を乱歩の文章を手がかりに、さぞかし恐ろしく想像したことでしょう。

さて、誰もが一度は耳にしながらわざわざ見に行ったりすることは滅多にない、東京B級スポット『東京タワーろう人形館』に行ってきました。 公式ページによると、1970(昭和45年)に開館、展示されているろう人形はロンドンの工房から直輸入したものだそうで、2001年のリニューアルでテーマが「20世紀を飾った人たち」になったとのこと。一頃聞いていた誰が興味を持つのかわからないマニアなロック・ミュージシャンの展示は模様替えとなっていたようです。(よかった〜)
それで問題の蝋人形なのですが、どうしようこれ(困惑)・・・・。なんか全体的に微妙、なんですよね。ロンドンの工房から直輸入って自慢されるほどでもないような。これなら海○堂あたりに作ってもらったほうがよっぽどいいものができるかも、なんて思ったり。「まるで生きてるよう」なんていうのはちょっと無理っぽいかなあ。元が蝋なんだから生きてるように見えないことは百歩譲って許すとしましょう、素材が蝋にしてはがんばったとも認めましょう、しかし、本人にあんまり似てないのはいかがなものかと思われます。人形の足下においてあるネームプレートでやっと「ジュリア・ロバーツ」らしき人形を「ジュリアだ」と認識し、地下鉄通気口の上でスカート押さえる悩殺ポーズで「マリリン・モンローだ」って得心する程度の、それはまるで素人ものまね大会なんですよ。もとがそれほど似てないうえにこれまたなんの芸もなく、ジェームス・ディーン、三船敏郎、猿の惑星、オードリー、リズ・テーラー、シャロン・ストーン、ジョン・ウェインなどがぎゅうぎゅうと並べられ、いわく「ムービースター」・・・って言われても、これから陳列予定のマネキン保管庫にしか見えないんです。なんでこんなどうでもいいような展示の仕方するのかなあ。さすがに生誕100年記念で新登場のマレーネ・ディートリッヒはワンコーナー設けて「嘆きの天使」してたけど。これだって背景がチープ。嘆きの天使の横では、なぜかブラピがボーっと突っ立っていて、お向かいに地雷除去キャンペーン中のダイアナ妃がやっぱりボーーっと立っている。むちゃな配置です。で、どうやらこの辺から現在のテーマ、「20世紀を飾った人たち」になるらしい。ここからしばらくまじめに歴史上の有名人が続きます。マザーテレサ、アンネ・フランク(これがまた、微妙なんだな。姿勢が硬くて蝋人形丸出しなのよ)、王&長島(微妙!微妙!)、吉田茂(これは似てると思う)、ブッシュ、杉原千畝(名前は知ってても顔を知らない人が多いと思う。似てるかどうか以前に人選に問題有り)、エジソン、アインシュタイン、その中に向井千秋&毛利衛がいたりして。人選基準がやっぱりわからない。そこが終わるといきなりフランケンシュタイン登場。唐突にモンスターです。しかもたったの一体だけ。せめてドラキュラと狼男くらいは欲しいよな。モンスターの次は名画・最後の晩餐再現シーン、そんでもっていきなり「中世の拷問」コーナー・・・・。どういう趣味なんだろう。これがどうしたわけかセットから照明から音響から他には見られない熱の入れようなんですよねぇ。隠れた目玉なのでしょうか?(乱歩的にはgoodな出し物ですが)。 そしてなんの脈絡なくロックミュージシャン・コーナー。ビートルズ。似てるような似てないような? わけわかんないです。ここまで微妙続きだとわたしの記憶のほうが間違っていて、実は蝋人形の方が激似なのかも・・・と妙な錯覚に陥ってしまう。そんなこんなで意味不明っぷりに拍車がかかったところでラスト。最後はマダム・タッソーのお見送りでさようなら。
ふううう。いやはやなんともB級スポットの名に恥じないすんばらしいB級っぷりでした。この統一性のない陳列の様は、きっと、現在只今持ってるコレクションをとにかく全力で並べてみたらこうなった、ってとこなんでしょう(たぶん)。いえ、決して嫌いじゃないですよ、こういうの。(でも、これで870円はチト高くない? しかも料金が半端)
開館当時はこんな程度でよかったのかもしれないけど、CG、ホログラフィ等高度なものを見慣れてしまった現代では、まじめに見るとかなりきついものがありました。一体一体じっと見ると、「蝋人形としては」よくできてるんでしょうが、見学者は全体でみるから、ポーズに固さがあるとそれだけでNGとなってしまうのです。だから蝋人形のポーズはごく自然にしなければならず、また髪の毛一本一本植えるくらいの情熱と同じくらいに、人形を飾るセット作り(大道具)にも情熱を傾けなければならないんですね。パーツばかりに拘ってもダメなんです。蝋人形と同じくらい凝ったセットの中に置いてこそ、人形も生きるってもんなんです。少なくとも、中世の拷問コーナーくらいのセットと演出をそれぞれの蝋人形に欲しいですな。でないとデパートのマネキンと一緒になってしまう。勿体ないことです。
蝋と最高級の義眼、髪を一本一本植え付けた人形自体は観ておいても悪くないので、興味のある方は話のタネに一度見学してみるのもいいと思います。ちなみに「仮面の恐怖王」で取り上げられてる「毛沢東」をここでみることができます。これは似てたと思う(笑)

*蝋人形は写真撮影可なのですが、「ホームページへの掲載はご遠慮ください」ですって。ざーんねん。
2005年3月25日

back