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目撃内容 その35
「盲獣VS一寸法師」
プロデューサー・監督・脚本・撮影 石井輝男
おすすめ度★★

明智小五郎 塚本晋也 丹下博士 丹波哲郎
小林紋三 リリー・フランキー 山野百合枝 橋本麗香
盲獣 平山久能 人形師 安川 薩摩剣八郎
一寸法師 リトル・フランキー 真珠夫人 吉田千穂
水木蘭子 藤田むつみ 運転手 蕗屋 及川光博

前売り券を買ったらおまけに指がついて
きました。
なにがびっくりしたかって、若杉英二・・・。あの少年探偵団、青銅の魔人で颯爽とした目元の涼しい紳士探偵・明智小五郎をやった人のなれの果て・・・じゃなくてその後の姿をこんなところで発見するとは。映画の中で凛々しかったあの明智さんは、太めのおなかを惜しげもなくさらし、パンプス&ブラジャー姿でポーズをとっていらっしゃった。あまりのお姿に電車の中にもかかわらず「えっ!」と声を上げてしまいました。
失礼、これは盲獣VS一寸法師とはなんら関係もなく、パンフレットに同時収録されていた「地獄」のキャスト紹介欄を見て思わず・・、の話です。いやあ、正直、驚きました。若杉さんの役者魂に脱帽です。

初日は舞台挨拶がありました。なんでも朝9時から整理番号配布ってことだったけど、舞台挨拶は聴いても聴かなくても別にいいやと無欲の境地でのんびり出ていきましたが、間に合ってしまいました。ご挨拶にいらっしゃったのは石井監督、リリー・フランキー氏(小林紋三)、塚本晋也氏(明智小五郎)そして飛び入り的に平山久能氏(盲獣)。一番よくおしゃべりになったのは明智役の塚本さん。この方は昔からの石井ファンだったらしく、石井映画との出会いから石井作品「地獄」がいかにおもしろかったかまでを熱弁。
石井監督だったかな、「リリーさんが本業でもないのに演技が玄人はだしのわけを聞いたら『NYのアクターズスクールに行っていた』ということで」なんて言うと、塚本さんとリリーさんが「いや、それは『アクターズスクールの名前を知っている』ということで、冗談なんですが監督、まだわかっていないようで」などと言ったり、楽しげな舞台挨拶でした。(うろ覚えなので固有名詞などは違うかもしれないです)
平山さんはシャイ感じの好青年で、後にも書きますが、この後見ることになる盲獣を演じた人とは思えないくらいでした。


さて、本編のほうなのですが、想像していたほどB級ではなかったです。わたしはてっきり盲獣と一寸法師が血みどろのバトルを繰り広げ、収拾がつかなくなったところで丹波さんが登場して無理矢理endかと思ってたんですが、さすがにそこまでB級ではありませんでした(苦笑)
でもさすが映画だけあってテレビでは放送禁止になってしまいそうなシーンがきちんと押さえられ、そのへんはさすがだなあと妙に感心。たぶん、一寸法師なんてタイトルからして放送禁止だろうし、(無理してやるとしたら「背の小さい人」に改題? かえって差別的!)、人肉ハム(盲獣からそれを買った乗船客が、ハムの中から歯や指を見つけて全員で吐瀉するシーン。さすがに「鎌○ハム」と固有名詞を出すのは避けていますが)も血風呂切断死体入りも難しいと思います。なんといっても印象に残ったのは最後の丹下博士。いきなり登場していきなり「こんなものは芸術でも何でもない!」とステッキという名の大ナタふるって盲獣の触覚芸術作品を粉砕、強引にEND(この辺は予想ぴたり)、しかも丹波哲郎アップだったのにはびっくり。網膜に丹下博士のアップが焼き付いき、恐れ入ってるうちにエンディングロール。すごい力業でした。思っていた以上におもしろかったです。それに意外と綺麗な映像でした。いや、ビデオ撮りとかじゃなくて、公孫樹のシーンとかね、人物背景のことなんですが。
さて、塚本氏の明智小五郎ですが、原作通りちゃんとチャイナ服きてるんですよ〜。原作のイメージとは違う明智さんだったけど、これはこれで良かったんじゃないかと思います。それと、盲獣の平山さん。うまかったです。なりきってます。舞台挨拶で恥ずかしそうにしてた人と同一人物とはとても思えませんでした。役者さんってすごいですね。
この映画で一番良かったのは、個人的に「曲」じゃないかと思うんです。オープニングのきしむようなうめき声の不協和音、あれは耳について離れません。

なにはともあれいろんな意味で一見の価値あり、です。
2004年3月13日

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