目撃内容 その26
「乱歩R 黒蜥蜴」
脚本=長川千佳子
おすすめ度★1/2

三代目明智小五郎 藤井隆 緑川(黒蜥蜴) 松坂慶子
小林芳雄 大滝秀治 藤原直人 石垣佑磨
雷道所長 岸辺一徳 クレル エバノフ廉
帆音ユキ 本上まなみ 岩瀬庄一 峰岸徹
堀越警部 筧利夫 黒蜥蜴部下 嶋田久作
女王様 須ノ内美帆子

「黒蜥蜴2004世紀末美少年ランド」だそうで。美少年なんか出てたかなあ・・・。まあ、いいか。

なんだか松坂慶子の存在だけでもたせたような内容でした。松坂慶子が出てなければ何の意味もない。黒蜥蜴の犯罪動機が薄く、犯罪内容もインパクトに欠けてイマイチでした。少年たちを拉致したものの、本人たちの意志に反して監禁したわけじゃなし、生きたまま水槽に投げ込んで溺死させようとしたわけでも無し、ましてや剥製にしたわけでもない。ついでに黒蜥蜴の最大の見せ場、探偵と女賊との恋の駆け引きもなかった(相手が三代目じゃしょうがない)  つい先日観たコメディ・ミュージカル「オバラ座」の方がよっぽど内容的には良かったです。シリアスがコメディに劣るなんて。ああ、そういえば不要になった資金源のVIPを殺害してたっけ。これは立派な犯罪ですな。印薄い・・。
内容はやっぱりアレだったけど、松坂慶子だけは期待通りに美しかったです。美しく妖艶で宝石のようなきらめきをもつ女賊でした。昔、ミュージカルで生の彼女をみたことあるけど、本当にきれいだった。舞台に登場しただけで花が咲いたようになりました。大輪の薔薇のような華やかさとかすみ草の愛らしさを併せ持つってこのこと言うんだなあと、今現在にいたるまで我が家での語りぐさです・・・。舞台でやった松坂慶子版「黒蜥蜴」観てみたかった。でも明智が津嘉山正種ってとこが微妙な線だ。観れば結構いいのかもしれない。
さて、このドラマで唯一よかったのは三代目にむかい黒蜥蜴が「あなたは本当の自分に気づいていない」と言う台詞と、自殺落ちじゃなかったこと。クライマックスに向けての伏線でしょうか? この番組にびっくりするような伏線を求めるのは、大きな誤りでしょうか。チープな内容を吹っ飛ばすような一発逆転ホームランが欲しいところなんですが。
そういえば、2代目明智って養子なんだって。旧姓「遠藤」で養子に入って「明智」小五郎になったとしたら本当にびっくり!なんだけど。明智と文代の間に女の子、遠藤平吉と奇面城の白いドレスの美女の間に男の子、その男の子が養子に入って三代目ができたってのもありそうだけど、そうすると三代目に敵対する直系の二十面相の存在が消えてしまう。それにイマイチおもしろくない。所長あたりが二十面相ならわたしの好みなんだけど、じいちゃんって線もすてきれないし、角川ホラー文庫のラインナップが「黒蜥蜴・怪人二十面相」だあることを考えると、黒蜥蜴とも関係ありそう。けど、人殺しはしない二十面相が黒蜥蜴と関係があるわけないし。逆説だらけですね。どっちにしろこの番組、二十面相の正体が割れるまで楽しめそうです。

すっかり忘れてましたが、今回の命題「何かを守るためには、何かを捨てるべきか」。ケースバイケースでしょ。卵が先か鶏が先かっていうのに似てますね。

関連記事:黒蜥蜴 京マチ子
2004年2月2日
乱歩R公式サイト

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