ホテル・コル・デル・ソッレ |
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6時半起床。モーニングコールより早く起きてしまいました。っていうか、昨日の騒音と蚊との戦いでほとんど寝てません。2日連続寝不足です。 7時30分から昨夜の働きの悪いレストランで朝食。ハムにレタスにトマトにパン。それにオレンジジュースとコーヒーを頂く。 |
朝食のあと、網戸のない部屋に戻って荷造り。集合時間までまだ間があるのでホテル周辺の散策に出かける。カゼルタの町並み見て思ってたことなんだけど、南イタリアってわたしが思い浮かべていたイタリアのイメージと違う。私のイメージのイタリアはフィレンツェとかヴェネチアとか北方面だったんだ。 南イタリアはつくづく限りなくギリシャと瓜二つですよ。昨年イヤって言うほど見た埃っぽい大地とオリーブ畑と猥雑な町並み。行ったこと無いけどスペインにカンジが(イメージ)が似てる。 ホテルの周りも殺風景で飾りっ気のない普通の民家が軒を連ねている。トゥルリのほうへ行くと昨夜は暗くて見えなかった畑とか農家とか、戦後活躍したオート三輪とかおいてあったりして、思えばずいぶん田舎にきたもんだ。 それにしても人っ子ひとりいないなあ・・・。真っ昼間でもイタリアン自由業の人が出るかしら? 微妙に寂しくなってきたところで戻ることにする。 |
9時。ホテルのロビーで全員集合。 迎えにきた現地ガイドのヒロイさんに連れられトゥルリ観光に出発。昨夜はヴィットリオ・エマヌエーレ通りを挟んで左側(モンティ地区)を見に行ったけど、今日は右側(アイア・ピッコラ地区)へ道を取る。右側にもトゥルリがあったなんて気づかなかった。 アイア・ピッコラ方面は朝早いものでひと気がない。9時・・なんだけど。ヒロイさんがいわく付きのトゥルリの前にみんなを導いては来歴や仕組みなどを持参の資料を見せながら説明してくれる。例によって例のごとく、そのときはフムフムと感心しながら聞いているのだが、全然記憶に残っていない。後でガイドブックでも見て復習しておこう。 |
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アイア・ピッコラ地区からポポロ広場〜マルテロッタ広場に戻ってくると昨日からのお祭り継続中でやたらと賑やか。露天がずらっと立ち並び人出もすごい。おまわりさんも見回りに出ている。ヒロイさんの話だと一昔前は土曜日になると店が閉まってしまうのでお買い物にすごく苦労したそうだ。ヨーロッパって今でも日曜はしっかり休むところが多いよね。添乗員氏がバスの中で語った話によると、イタリアの子供って6月〜9月までお休みで大人たちも8月にいっせいに休みを取るそうだ。イタリア人の社会人が1ヶ月しっかり休んだとしても周辺国に比較して全然不思議ではないし標準だと思うけど(キーーーっ!うらやましーーー)、子供の3ヶ月休暇っていうのは本当かなーーー。3ヶ月のうち好きな一月をフレックス休暇ってのとの間違いじゃないかなあああああ。うらやましいーー。 | |
わんこ発見。とっても焼き餅焼きです。ねこちゃんなどがやってきて自分の人気がさらわれそうになるとすかさずライバルを追っ払ってしまのです。 |
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10時からはフリータイム。各々好きなところを目指して解散! 解散っていわれても行くとこなんて高が知れてる。おみやげもの屋で物色するか散策するか。みやげものには興味がないのでとにかくうろうろすることにする。 とんがり帽子の町並みの坂を下っていくとトゥルリの前で日本人の売り子さんが呼び込みをやっていて、何でも、トゥルリの屋上に上らせてくれるという。そりゃ是非入らせて貰わねばなるまい。 中にはいると店舗になっていて細々とした雑貨が所狭しと並べてある。試食もさせてくれるのだが、とりあえずいそいそと屋上に上る。 わああああ・・・・・屋根だ〜屋根だけだ〜おもしろーい!(左画像参照)ターンして、わあああ・・ボロっちぃ・・・。表から見るとまっ白に塗られてきれいなトゥルリが、裏から見ると廃墟の様相。さすがに裏まで白く塗ってる余裕はなかったと見える。裏から見る奴なんているわきゃないと、油断しまくってるな、おぬし(苦笑)。 洗濯物が干してあったり破れバケツが転がっていたり、なんと生活臭の漂うおとぎの町。それもよし、それもよし。 |
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約40分のフリータイムの後、マルテロッタ広場の前で集合。そこから一旦ホテルに戻るわけだが、道すがらヒロイさんから「ナポリは雨」という話を聞く。ナポリは雨ってことはつまり青の洞窟に入れる確率が限りなく低くなっているということだ。青の洞窟に入れる確率は夏がもっとも高くてそれをすぎるとがくっと確率が低くなる。9月後半なんて言ったら、もう確率は赤点近くまで落ちてきて、ほとんど入れないと行っていいほどなのだ。晴れてても波が高ければアウトなのに加えて雨と来れば推して知るべしである。 明日、青の洞窟はなさそうだ。今から覚悟しておこう。 次は3つ目の世界遺産・マテーラへ。岩山をくりぬいて造られた珍しい洞窟住居の街だ。が、そのまえにまた長いバスの旅が待っているのだ。 |
マテーラ
アルベロベッロを出て1時間40分。マテーラに到着。 雰囲気はやっぱりギリシャかスペインの南国風。洗練されたというよりも荒削りで原始的な雰囲気。道路に破れ新聞が舞っている様子はなんとなく場末な感じもする。天気も薄曇りで道行く人は皮のコートを着込んでいたりして薄ら寒いのかも知れない。バスの中でも結構うすら寒く、持参の携帯レインコートを膝に掛けていたくらいだから外はきっともっと寒いのだろう。 と、ふと見た外の光景にびっくら仰天。タンクトップにヘソだしルックの人がいる! ええ? 外の気温は一体どうなってるんだ? 外に出てみるとうすら寒い。皮コートが正解だったんだ。 最初に向かったのはレストラン。添乗員氏に連れられて大雑把な石造りの待ちを右に左に抜けていく。目的のレストランはサッシにほおど近い崖っぷちにあった。いわゆる洞窟レストランってのでございます。 |
洞窟レストラン | |||||||||
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席についてドリンクを注文する。一番最初のドイツ旅行でドリンクを頼まないと非常に辛い(味が濃いので喉が渇く)目に遭うこという経験上、条件反射的に注文してしまう。そんなところに隣で注文を断っているのを聞き、つい注目してしまった。どーするんだろう? すると彼らはおもむろに鞄からペットボトルを取り出し、テーブルの上に伏せてあったグラスにドボドボとつぎ始めた。いわく「持参の水があるときはこれで十分」 へえええ! そんな技が会ったとは!目から鱗でございます。今度やってみよう。 ところで、この店のウエイターはよく働きます。イタリア人にしてはものすごく珍しい。しかもごついおっさんでなくてまだ若く細っこい若者である。高校生のバイトだろうか。ついでにイケメン。熱心に観察するあまりで写真取り損ねてしまった。 |
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イケメン・ウエイター付きのお昼でお腹がくちくなったところで現地ガイドさん登場。ジョージアさん28歳だ。欧米人しては実年齢より若く見えるスレンダー美人だ。 スレンダー美人に連れられまずはサッシが一望できるヴェルヴェデーレ展望台へと向かう。そこから見渡す洞窟群はまさしく山賊の住処。すばらしく冒険心をくすぐられる。ヒミツの抜け道、はたまたいにしえの盗賊の隠し財宝が眠っていそう。あの中のどれかはショッカーのアジトかダークキングダムの入口に違いないのだ。 |
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岩肌を削って造った階段を下りていく。石段脇のサッシには洗濯物が干してあって人がきちんと住んでいる模様。ここで添乗員氏からの注意発令。ガイドさんにしっかりついて決してルートを外れないでください。だと。サッシの中は迷路みたいに入り組んでいて、迷ったら大変なことになるらしい。やはりアヤシイ噂は本当だったのか。 | ||||||||||
道に迷わないように道順案内が出てます。左写真の左上のプレートがそうです。 | ||||||||||
それにしてもこの集落(サッシ)はおもしろい。階段だとあるいは道だと思って歩いている場所が実はどこかの家(洞窟住居)の屋根だったり、見晴台だとおもったら教会の屋根だったり、こんな場所、とても車なんて通らないと思ったらちゃんとした道路が付いてたりで何でもありなのだ。 さて、見晴台のようなその実体は教会の屋根を降りて洞窟教会に入る。中はかかなり傷んでいる。壁画が描かれているのだが、これがまた剥げたり削られたりで保存状態はよろしくない。例えるなら隠れキリシタンの秘密の礼拝堂に幕府が踏み込んで、大乱闘の末軒並み御用になった後って感じだった。 |
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公開されているサッシ(洞窟住居)へ入る。そんなに広くない。人も家畜も同居。岩穴は湿気が強いらしく、ベットの高さがかなりある。高床式住居みたいだ。おどろいたことにこんなとこでも日本語ガイド(テープ)が用意されている。きっとここにもたくさん私たちみたいに日本人ツアー客がくるんだろう。さすがどこにでもいる日本人だ。 |
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約1時間半の見学を終えスレンダー美人のジョージアさんとはここでお別れ。 添乗員氏いわく、次のナポリまでは長ーーーーーいので是非トイレに行っておきましょう。長いってどれくらい長いかというとバスに揺られること4時間ぐらいだという。そりゃまた長い。長いけどトイレに行きたい気分ではない。まるでしたくないのに耳元でトイレトイレと連呼され、周りがわらわらとトイレに駆け込んでいく姿を目にすると不思議と尿意を催してしまう。まるで何かの暗示にかかったよう。そうだ、行きたい気分は錯覚なのだ。そしてバスに乗ってしまえばそんな気分であったことさえわすれてしまうのだ。 |
ナポリ
7時半。バスは去年見たギリシヤと変わらぬ乾いた大地とオリーブ畑となにやら貧しげな街々を通り抜けひた走り約3時間半、トイレに行きたくて脂汗を垂らすこともなく、ようやくナポリに到着。はぁ、もう長いったら・・。 バスが乗り付けたホテルは、おお、星4つついてるぞ。・・・・に、してはビジネスホテル風の殺風景な外観が少しばかり気に掛かる。 夕食集合は8時。30分も時間がない。急いで自分の部屋に入ってみて一番気がかりなバスルームをチェック。げーーーー。やっちゃったよ、これ。 ビデはあるのにバスタブがない。ビデ、好きなんだな・・・イタリア人。あたしゃビデなんかよりたまらなくバスタブが欲しいよ。それにしても、洗面所兼バスルームのスペースはちょっとした部屋くらいあるのにシャワールームが狭い。申し訳程度のシャワールーム。なんかもう、60cm四方? しかもあちこちペンキが剥げて錆がきてる。さらにシャワーヘッドが天井付近に固定してあり、これはどう見ても頭から水を被らなければ使用できない構造になっている。一体どうやって使えばいいんだろう? 悶々。 |
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悶々としながらメインダイニングへ向かう。四つ星ホテルということでそれなりに期待。 入ってみると、なかなか良い雰囲気。広くてこぎれいで円卓にはテーブルクロスも掛かっていてシミもない。これで料理が良ければ文句なし。 | |||||||||||||
せっかくのディナーなのでワイン(小)をオーダー。出てきたデカンタをみてびっくり・・。これで、小? ハーフボトルくらいない? もしかしていい加減で大雑把なイタリア人、間違えたのかも。少々不安になって添乗員氏に確認して貰う。これでOKなんだって。へぇえええ・・・。そう? でもひとりでこんなにたくさん飲めません。お裾分けに回しても、もうみなさん同じようにタプタプで飲めません。残すしかないかぁ。もったいないなあ。 ここまではいい感じで進んでいたんですが、このままでは終わらせてくれなかった。 楽しく食事を終え、お勘定となって事件勃発。おつりがたりなーーーーい! 半端じゃないくらいたりなーーーい! コラァ(怒)! ワインのお代3.5E、小銭がなかったので10E札で払ったらおつりが3Eしか戻ってこない。 きたきたきたきたきた、キターーーーーー!これが噂に聞いてた釣り銭詐欺!!!???? 許さんぞ、こらーー! どこをどう計算したらそうなるのかなぁ? 残りの3.5Eはなにか? チップとでもいうのか? ええ? どこの世界に本体と同額のチップをやる人間がいるんだよっ! 6.5だよ、6.5! きっちり耳をそろえて出しやがれ! うりゃ!うりゃ! 抗議抗議! で、次にウエートレスが出してきたのが5E。・・あのぅ、まだ足りないんですけど。足りないぶんはあんたへのチップぅ? ・・・・(怒)。 最終的にしっかり満額釣り銭は取り返したけど、チップなんかやんない。不愉快だもん。むこうの人は計算が苦手ってよく聞くけど、これって苦手の範疇なの? 素で間違えてたの? わけわからない。 この彼女、他のテーブルでも揉めてたっていうんだからこのホテル、一体どういう社員教育してるんだろう。ホントに4つ星なのかね?激しく謎。 |
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あのウエートレスは本気で計算が出来なかったのか、それともこちらを観光客と侮ってごまかそうとしたのか悶々としながら部屋に戻り、例の棺桶を縦にしたようなシャワールームを使う。 ・・・・。 ほんと、カンベンして欲しい。天井近く固定されたシャワーヘッドから噴出する水がモロ頭に被る。気分は修行僧。 否が応でも頭からかぶるから、これまた否が応でも髪から洗う。身体を洗いたくても引き続き頭に湯がかかり、大雨の中で身体を洗っているような気分。もう髪には十分すすいだから湯はかかって欲しくないんだけどなあ。つーか、最後まで強制洗髪モード。貞子みたいになりながら石けんを流す。これってたぶん、背の高いイタリア人でも頭から湯のぶっかけ洗礼は免れないと思う。ウエートレスといいバスルームといい、☆4つなんてなにかの間違いだ。 井戸に突き落とされた貞子状態にすっかり嫌気がさしたところでシャワーキャップが目に入る。そうだ、これを被ればすくなくとも貞子は免れる! 髪を上げてシャワーキャップを被って再度挑戦。やったー!貞子脱出。ビニールのキャップに水がバシャバシャかかる音がものすごくうるさいけど、貞子よりマシだー。 |
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シャワールームでの格闘の後就寝。今日は本当に疲れた。明日はカプリ島だ。私の予想では青の洞窟は無理。お休みなさい。 |