2日目

ローマ−カゼルタ−アルベロベッロ 




朝食風景


ホテルのロビー


ホテル外観
  
前日の夜はなんだかんだで手間取りまくり、結局寝たのが午前2時。そんで起きたのが午前5時半。
ほとんど寝てません。ツアーの初日ってだいたいこんなもん。

朝食開始時間とバケージダウンの時間が一緒なので、部屋を出るときにトランクを外に出しておかなきゃなりません。バスに乗り込む用意をわたわた整えてから朝食に出ます。とってもせわしないのです。

朝食はコンチネンタルって話だったけど、蓋を開ければたまご料理もお肉料理もあって予想していたより良いみたい。妙に安いツアーだったからパンとコーヒーだけだろうなと思ってた分、少し得した気分ですv
思えばこのホテルの朝食一番よかった。
料理があったしね。

広いダイニングでそこそこイケてる朝食をモソモソいただき、隠し球を取りに部屋にいったん戻る。何を隠そうミニバーに日本から大事に持参してきたお茶と麦茶を冷やしておいたのだ! グッジョブ!

部屋に戻りミニバーの前へ。時計を見たらまだ少し時間があるから先に所用を済ませてから取り出すことにする。少しでも長く冷たいところに置いておいたほうが冷たさも長持ちするというもんだ。私って天才。

自分の機転に酔いしれながら立ち上がった瞬間、突如ミニバーから『ウィイイイイイ〜〜ン』とうなり声がして続けて『カッション』という音が。いかにも鍵かけちゃいました〜的音に嫌な予感がよぎる。慌ててミニバーに取り付いたけど、も〜う、びくともしやしません。
ハイ、予感的中。鍵かかっちゃいました。なんで!? 
一体誰が鍵かけていいなんて言ったぁあああああ! ってか、わたしのペットボトルはどうなるの?

宿泊客がロックアウトされる話はよく聞くけど、お茶がミニバーにロックインされたなんて初めて聞いたぞ。推測するに、このミニバーって客のチェックアウトの時間にあわせて自動的にロックされる設定になってるのね。なんでそんな必要があるかっていえば、客がチェックアウトした後、お掃除なんかで部屋に入った従業員がミニバーを開けてちゃっかし×××してしまうのを防止するためだと思うんだ。なんてこった。

無駄だ思いつつフロントで鍵を開けてもらうようかけあってもらったが、結局出発時間に間に合わず、ミニバーにペットボトルを残したまま出ることに。
強制寄付ですか(涙)? でもそのペットボトル、一本は飲みさしなんですが・・。いいのかな。




愛するペットボトルをミニバーに残したままバスへ。
大型バスを総勢18名で占領。一人2席のびのびと使える計算です。

運転手は昨日と同じジョルジオさん・・・マラドーナっ言ってたのはやっぱウソだったんだね。


さて、みんなそろったところでカゼルタの王宮向けて出発!

(200キロ・3時間コース)






カゼルタ到着


南イタリア世界遺産一件目の物件はカゼルタの王宮。早めについてしまったためにガイドさんがまだ来てな〜い。遅刻してくることはあっても、早めに来るイタリア人のガイドなんてあり得ないってことで、ガイド待ちフリータイム。

カルロス3世によって18世紀に建てられたこの物件、例によって例のごとくベルサイユ宮殿がモデル。部屋数だけで1200室だっていうからオドロキです。なんの必要があってそんなにたくさん・・。
絶対あるね。開かずの間。

きれいなお城の話をする前に、あんまりきれいじゃないトイレの話をば少々。

ローマからカセルダまで約200キロ。バスで3時間かかります。もちろん、間でトイレ休憩あり。ドライブインで休憩するんですが、このときのドライブインではチップがいらなかった(ラッキー)。ついでに
便座もない(げ〜〜!?)。さすが犯罪大国。盗めるものは便座でも盗むのか?

推察するに、便座があると掃除するのが面倒くさいからはずしてるんだと思うのね。つまり手抜き、よね。ったくよぅ、イタリア人はよぅ〜、掃除くらい面倒がらずにしろよ。

に、しても便座のない洋式トイレを使いこなすにはなかなかの技術が必要です。やっぱ便座に座るかすわらないかの瞬間で動きを止め、空気椅子にでも座っているかのような状態で用を足すしかないようです。こんなとこまで来て空気椅子だなんて。運動部か?ここは?

イタリアのトイレなんだけど、ホテルの部屋以外は便座がないと思って間違いないです(特にローマから南。北は行ったことないから不明)。ホテルのロビーにあるトイレでさえ便座がなかった。チップとるところも便座はないです。レストランでも便座はないです。ひどいところになると水がながれず大変なことになってるトイレも・・(ギャ〜)。トイレ事情は壊滅的に悪かったです・・。

アドバイス:何が何でも用はホテルの自室で済ませましょう。


↑ 結婚式の写真撮影場所としても使用されている模様。
この日は3組ほど見たかな。

ガイドのアドリアーノ氏が来たところで王宮の見学です。

1200室は伊達じゃない。公開されてるのは一部分だけど最後にはなにがなんだかわからない(みんな同じように見える)くらい広いです。そんでおんなじような豪華な部屋と部屋が果てしなくつながってるの。たとえば4の部屋に行こうと思ったら絶対1の部屋、2の部屋、3の部屋を通らなければならないってかんじ。一番端の部屋なんかあてがわれたりなんかしたら、いろんな人に通り抜けられて落ち着かないよね。そういえばポツダムのサンスーシ宮殿もおなじ作りだった。

最初はそりゃ熱心に写真なんかをとってたけど、途中からはすっかり飽きちゃって説明されても「はぁ・・・(飽)」。
城内観光だけで1時間30分はさすがにきつかった。長細〜〜く、同じような部屋がいくつもいくついくつもいくつも・・作ればいいってもんじゃない。写真に撮ったけどどれがなんの部屋なのかすっかり忘れてしまいました・・。


カゼルタ王宮でもうひとつの名物は広大な庭園。
これをじっくり見るには半日はたっぷりかかると思います。しかも王宮内見学とは別料金が必要です。ツアーなもので庭園でのフリータイムはたったの20分。その時間でいったい何を見ろとおっしゃいます?
 
庭園ではたくさん馬車が出てて、25分5ユーロで乗ることができます。客とみると御者がすかさずやってきて勧誘がはじまる。添乗員氏が時間がないから無理と御者に断りを入れても「25分のところを15分(同料金5ユーロ)でまわってやろう」と言い出しす始末。えっと? それってすごいぼったくりじゃ? だいたい10分もショートカットされたコースなんてどんなだろう。わたしは馬車より歩いたほうがいいので断ったけど。(乗らないっていってるのにすごくしつこく勧誘されてめちゃくちゃ迷惑だった) あとで乗った人に聞いたら、馬車にのせられたままものすごいスピードで駆け抜けただけで、写真ストップもなく馬車からふり落とされないようしがみ付いてるのが精一杯だったって言ってた。意味ないじゃん。


宮殿&庭園の画像はこちら→GO!






王宮見学のあとは近くでランチ。

ちなみにワイン、コーラ、オレンジファンタなど200ml2ユーロ均一。ここのトイレも便座がなかったです。レストランなのにーーーーっ!


エジプトビーンズスープ 七面鳥のグリル&レタス スフォイアデッラ(カスタードパイ)
パイ生地を幾重にも重ねたお菓子。妙に油っぽいけど食べてみると非常においしーのです。ちょっと席を外したすきに片づけられてしまいました。がっかり・・・・。






アルベロベッロへ

3時、カゼルタを出発。次に向かうはアルベロベッロ。しかしこれが長い長いバスの旅で座っているだけでヘロヘロ。ついでに添乗員氏がしゃべるしゃべる。大概の添乗員さんは正面向いたままなんだけどH氏は違った。ほとんど乗客のほうを向いたままなのです。

2時間後、ドライブインでトイレ休憩。ここもチップもなければ便座も無し・・。便座ないトイレ使うのってテクが必要なんだよね・・・。しみじみ便座のありがたみを知る。
アルベロベッロはまだ遠く、ここからさらにおんなじ時間バスに揺られなければならないらしい。なんせカゼルターアルベロベッロ間は365キロもあるんだから。

アルベロベッロに近づくに連れ、空模様が怪しくなり、目的地に着いたときは本降り大雨。
添乗員氏の話によると今晩のホテルはトゥルリ(パンフでよく見る白いとんがり帽子の家)へは徒歩圏内で、ライトアップされたトゥルリはとても幻想的なので是非観てきて貰いたいとのこと。それにはなんとしても雨が止んで欲しかったのだが。こうザァザァ降りでは無理っぽいかも。

7時、雨の中到着。ホントに長かった。おしりがバスの座席と一体化するかと思った。雨は降ったり止んだり。バスから降りると小降りになり、乗ると本降りになるパターン。なんとなく希望が持ててくる。

さて、トゥルリまで徒歩圏内の今夜のホテルはコッルデッルソール。自称3つ星だが、外観からして「言っちゃったもの勝ち」って言葉を実感する。部屋は見事にシングル仕様。狭いです〜。ベットはセミダブルの大きさでまがりなりにもバスタブがついてる。すんごい小さいの。洗髪には苦労しそう。窓はあるけど、あーあ・・
網戸がないよ。ヨーロッパの家って網戸ないよね、蚊はいるのにね(なんでかな)。

7時30分から夕食。時間がない、荷物解いてる余裕もない! カメラだけ持ってレストランへダッシュ。途中、ホールから外を見て天気の確認。着いたときより小降りになったものの依然雨は降ってます。








焼きなすの数に注目!
右の皿は決して食べてしまったのではないのです。
これは〜リゾットですね
デザートはケーキ。
左側がイタリアのレモンソーダ。
ファンタレモンと微妙に色が違うのが特徴です。味の違いも微妙。
添乗員氏手製のカプチーノ・・
ホテルのダイニングは思いの外こぎれい。しかも日本人ツアーの貸し切り(もしかしたらまたほかの客と隔離部屋だったのかもしれないけど)。もう一つのグループは同じツアー会社の大韓航空利用組。ルートはナポリまでずっと一緒です。

ここの夕食なんですが、とにかく従業員が働きません〜。のんびりしてるっていうかなんつーか。食後のコーヒー頼んだのに一向に来る様子がない。全然来ない。まるっきり来ない。おーーーい、何か忘れてませんかー?

お隣ツアーの添乗員氏はしびれを切らして厨房に覗きに行ったまましばらく帰ってこない。我らが添乗員氏も様子を見て来ると言ったまま帰ってこない。そうこうしているうちにお隣組の添乗員氏がトレイにコーヒーを載せて現れ、自分の受け持ちのツアー客にサーブし始める。それを見て、
「お隣の添乗員さん、気が利いてます、株が上がってます! お客さんからの好感度、暴騰中!」
「それにくらべてHさん、大ピンチ!」などと勝手なことを言い始める私たち。
しかしお隣組のコーヒー、
なんでホテルスタッフでなく添乗員氏が持ってきたんだろう? 

「もしかしてHさん、厨房のお手伝いしてたりして」
「ありがちかも・・」

イタリアならあまりにあり得るシチュエーションに「見てくる!」と親子連れのお嬢さんが立ち上がり覗きにいく。戻ってくるなり微妙な笑みを浮かべ、

「Hさん、厨房でカプチーノの泡たててた・・・」

マジですか。

ってことは、私たちの前に置かれる予定の食後のコーヒーはシェフが作ったものじゃなくて、H氏お手製? ま〜じ〜で〜す〜かぁ〜〜〜!? なにが悲しゅうてここまできて添乗員氏madeのカプチーノを頂かなきゃならんのだ(笑) っていうか、チップはやっぱりH氏にあげるべき?

せっかくなので添乗員氏がこき使われてる画像をとりに厨房へ見学に行く。添乗員氏、ちょうどトレイにコーヒーを載せたところだったのでそこで記念写真。はいポーズ。






夜のお散歩


食後に外に出てみると、やった〜! 雨が上がってる。こういうときに日頃の行いがものをいうんですよね
早速、ツアーのみなさんと連れだって夜のトゥルリ散策へ出かけることに。イタリアは物騒だから夜の外出なんてもっての他なんだけど、ここは治安がいいらしいです。でも、一人で行くにはちょっと恐い。暗がりも多いし引っ張り込まれて「おれたちゃイタリアン自由業者アル、有り金全部置いていくアル」なんてすごまれたら大変。今回、人数も多いし一人だけど男性も同行なので安心。



キリストさんのお祭り中
運がいいのか悪いのか、この日はちょうど年に一度のキリスト教のお祭りの日。アルベルベッロのポポロ広場では深夜までバカ騒ぎ、じゃなくて、移動遊園地や屋台やら出ての大騒ぎ。敬虔なクリスチャンのお祭りなので変な人はいないから安心なんだそうです。日本の盆踊りには信心深い仏教徒よりヤンキー座りで粋がってる筋が溜まってたりして怖かったりするんだけど。
町の真ん中を走る道を挟んで片方はお祭り騒ぎ。もう片方のトゥルリは静寂(絶叫マシーンから生み出される悲鳴が時たま響いてきくるのが璧に瑕)。
白いとんがり帽子のトゥルリの町並みはライトアップされて幻想的な雰囲気、しかも雨上がりでしっとりしててとってもいい感じ。観光地らしくまだ開いているおみやげ物やもあってそれを覗いたり、暗がりの路地に入っていったり、夜のとんがり帽子を堪能する。おみやげもの屋さんは日本人だと知ると大概「東京から来たの?」と聞いてくる。東京しか知らんらしい。


ドア三態







幻想の世界から現実世界へ

この日最後のイベントは寝てからのTV騒音と蚊との戦いだった。

お祭りは11時半ころに終わったけどホテルの他の部屋のテレビの音が夜中3時半まで止まず、その上蚊が2匹も襲来。最初はシーツを被って凌ごうとしたものの、暑いわ苦しいわで断念。電気をつけて退治に乗り出す。でなきゃとても眠れない(怒)。 これがまたちょこまかちょこまかと飛び回って、くっっそぉおおおうっちょこざいな(怒)! すばしっこい上に毛唐の蚊は大きい・・・! こんなのに食われたら大変だー! 死にものぐるいの奮闘の末、漸く退治。これで安眠確保と、思いきや、今度は他の部屋のテレビの騒音がうるさいのなんの。なんたってそんな大音量でテレビをつけなきゃならんのだ。イタリア人は難聴かっ!? 海外旅行必須アイテム「耳栓」を取り出し装着。耳栓、ホント必需品ですぞ。スイスにしろオランダにしろドイツにしろ、必ず一カ所は騒音で悩まされるのだから。

それにしてもうるさいのぅ・・。ここまで音が響くということは、音量が大きいだけでなく、ホテル自体が安普請だからなんだと思う。そういえばこのホテル、事前の調査で「スタッフはフレンドリーでgood、でも隣で歩き回る音がうるさかった。」なんてコメントがあったっけ。そりゃきっとここのホテルが異様に安普請だっただけなんだよ。今にしてつくづく思う。要するに何時行ってもどの部屋に泊まってもうるさいんだよ。朝食の席でほかのツアー客もTV音がうるさかったって言ってたし、安普請、決定って感じ。

蚊と騒音の他にこの部屋の欠点がもう一つ。バスタブ。シングルにバスタブ付きっていうのは気が利いてるのだが、バスタブの形状がよろしくない。中が平らでなくて階段状になってるんです。足を伸ばして湯に浸かるのではなく、座って湯に浸かる、つまりバスタブの底がすでに椅子状になってるんだわ。これが非常に使いにくい。シャワーを浴びるにも洗髪するにも階段が邪魔になって不自然な姿勢になって苦しい苦しい。ないほうがマシなバスタブなんてはじめてだった。でも、次に止まるホテルにバスタブがないかもしれないし、とても髪なんて洗える環境のシャワールームじゃないかも知れない。どんな苦しい体勢でも、洗える時に洗わなくちゃ。海外では恒に最非常態勢で臨まなければならんのです。