出発までの悶々



9月1日

さて・・・。例年ならとっくの昔にツアーの予約を入れて目的地の詳細データを収集したり、旅先で飲むお茶のペットボトルを用意したり、準備に余念のない時期なのだが今年は行き先すら決まっていない。

行き先どころか、なんとな〜く乗り気になれない日々を過ごす。乗り気になれないながらも、やる気なさげにパンフレットみたりネットみたりしながら、「行けるときに行っておかないともしかして二度とチャンスがないかもしれない。つーか、日本にいても何にもしないでダラダラしているだけなら、いっそ思い切ってレッツ海外!」といきなり思い立つ。(でもやっぱりイマイチ乗り気になれない・・)

『行けるときに行く。多少無理してでも行く。』

実はこれは結構重要な教訓なのである。行こうと思って行けないわけではないのに、『この仕事が終わったら行こう』『定年になったら行こう』なんて言ってると、その仕事は終わっても次の仕事が来てキリがないし、定年になった途端、海外に行く代わりに病院に行くハメに陥ったりするのである。糟糠の妻を連れてく代わりにその奥さんの位牌を連れて行くなんてことになってからでは遅いのである(これ実話)。

行けるときに行く。人間、生きている限りなにがあるかわからない。だから、行けるときに悔いの無いよう行っておく、そうだそうだ、そうしよう!

などと前向きなんだか後ろ向きなんだかよくわからないことブツブツ唱えながら自分自身を奮い立たせ、インターネットで検索する。

パンフレットみたいな紙媒体の募集はとっくの昔に締め切っているところが多く、電話してみないとどうなっているのかわからない。かなり面倒くさい。その点、ネットだと自分の行きたいツアーを見つけたらその場で空席状況、催行の有無がわかるので超便利。早速パカパカと自分の希望を入力して検索してみる。

うーーーーーん・・・。

あることはあるがパリか南イタリアの二者択一か〜。パリなんて自由行動が2日もあるよ・・。今回、急なことで一人参加。一人であの集団スリや追い剥ぎや強盗の跋扈するパリの街(偏見)をふらつくのは考えるだけでストレス。残るは、南イタリア。南イタリアといえば、ナポリ、青の洞窟、ポンペイ、ローマetc、etc。うんうん、よさげではないか。

6つの世界遺産を訪問! 南イタリアスペシャル7日間 に決定。

ほんとは8日間は欲しいところなんだけど、贅沢は言ってられない。

そうと決まれば善は急げ、とっとと電話申し込み。ネット申し込みも可能だが、セキュリティーの問題とかいろいろ懸念材料があって気安く使う気になれない。24時間申し込み可でも、やっぱり受付係にいろいろ聞きながら申し込みしたいじゃない? そんなこんなで申し込んだのはなんと、

募集期限2日前。

まさにギリギリ。旅行会社からの請求書到着は次の次の日。そんでその次の日に最終旅行日程が届くという息もつかさぬスピード展開。旅行ってのはホントは申し込んで最終旅行日程が届くまでの長い時間が楽しいんだけど。旅行前の楽しみがごっぞり無くなったようで損した気分。やっぱ旅行は早めに申し込まないとダメだね。

そんなこんなで旅行先の十分なサーチもできず、ましてやイタリア語の予習なんてする暇もなく(する気もなかった)あれよあれよという間に出発当日。なんにも準備ができてません。大丈夫か、わたし!?




1日目

成田〜チューリッヒ 


トランクはスカイポーターに頼んで前日一足先に成田へGo。スカイポーターは2度目なんだけどなぜか毎回予約した時間よりうんと早くやってくる。2時間も3時間も前に取りに来られてもまだ準備できてませんよ〜。たとえお願いした時間より早く来られても、一度頼んだらもう二度と自力で成田まで持って行く気にはなれません。だって手ぶら出発、超楽ちんなんだもん。

成田到着

手ぶらで楽チン到着して一番の仕事は「両替」です。昔は事前に銀行で両替してきたけど、成田のレートが一番良いことがわかって以来、成田で両替することにしている。しかもユーロ両替なら三井住友銀行のレートがいいというのはもはや常識。今回も目をギラギラさせながら三井住友狙ってたんだけどないんです。そんな・・。どこへ行ったんだ〜〜。

仕方がないから一番レートのいい京葉銀行に並んでみる・・・・・。長蛇の列だよ、これ。なのにツアー集合時間が刻々と迫ってくる。全然列が進まない。このままでは両替できずに時間切れ?

はい、時間切れでした。30分並んだけど自分の番に回ってくる気配すらなく断念、ツアー集合場所に向かう。こういう時、一人参加だと困るんだよね。連れがいると一人は集合場所、一人は両替ってふうにできるけど、一人参加は常時二者択一です(困)




ツアー集合時間  08:30
再集合時間(ツアーメンバー初顔合わせ) 09:10

両替を諦め集合場所へ行ってみると、9月の半ばのイタリア行きにしては人数少ないめ? イタリア旅行は観光バス3台連ねていくって聞いたことあるけどデマだったのかしら。

さて、一週間お世話になる添乗員さんはH氏(29歳)。見た目だけでなく全身から「世話好き」オーラが出ているような人物。(これがまた見た目だけでなく実態も生まれながらの添乗員、添乗員の鑑だった)

世話好き添乗員氏を筆頭に、母娘連れ2組、夫婦5組、友人同士1組、お一人様 わたくしの計18人で出発。に、しても一人参加ってばあたしだけみたい。どのツアーにも一人参加2,3人はいたのにこんなの初めてだよん。(かなり動揺)




全員で初顔合わせの後、また解散して各自出国審査へ。私のやったことはもちろん京葉銀行への両替再挑戦。これがさっきより列が長くなってて自分の番に回ってくる前に搭乗時間がくるだろうなぁ〜状態。あ〜あ。

ここでの両替、断念。

で、結局 どこで両替したかといったら入国審査後、免税店近くの千葉銀。レートは悪くてもしかたがないやと思ってたのに、一番よくってしかも手際が非常によかった。並んでると行員が回ってきて待ち時間を利用して手続きをしてくれるから、窓口でわざわざ「全部10ユーロ札でお願い」なんて言わなくてOK。去年、三井住友で嫌がられた「10ユーロ札オンリー」も快諾。(前回ギリシャの時、何故か三井住友では20ユーロ札出したがって窓口で押し問答になって大迷惑だった。ギリシャじゃ小銭しか使えないんだよ! 20ユーロなんて出しても、ギリシャ人は釣り銭出せないんだよ!←これホント) 千葉銀サイコー! 利子は悪いけどレートと手際がいいよー。


10:10 搭乗手続き



11:03 離陸!

あいにくの曇り空でいつも見える成田の田園風景が全く見えず。ざ〜んねん。

ところで本日のJALは2階席です。
座席数が少なくて快適v
座席が少ないと何が良いかって、そりゃトイレが待ち時間ナシの入り放題ってとこですよ、旦那。へへっ。
日本時間 12:45
来た来た、お食事、お昼ごはんv
なかなかいけてますよ〜。ウマウマv
前回、ワールドカップ記念時のワインはゲロマズでしたが、今回の「フルール・ド・ランシュ」はなかなかのお味です。気に入った。持って帰ろう〜。
日本時間 20:25
今度はディナーv ウマウマv
あ、おいなりさんの味がちょっとしつこかったかな。

このほか、間食にパン、水入りペットボトルが各自に配布。当然、非常食用に鞄に詰め詰め。スイスエアラインの中で食べるのダ。スイスさん、機内食が有料なんだって。ケチくさいの!


チューリッヒ空港 到着  日本時間 22:30(現地時間 15:30)

☆メモ☆
両替レート 141.21円(高!)
見た映画:ハリーポッターとアズカバンの囚人、キャシャーン
JALと生死を共にした時間:約11時間30分
JALから頂いた食料:ピザパン、水、ポッキー一袋。ワイン(飲み残しを返却せず)






トランジットはチューリッヒで5時間


←JALから降りてくるツアーメンバーを待ち受ける添乗員H氏。
みなさん、続々と降りてきます〜。お疲れ様。

さて、ここでの待ち時間はなんと5時間! 苦痛だ・・。拷問だ・・。実は密かに待ち時間を利用して市内へ出ちゃえ!計画を立てていたのだが、こちらから申し出るまでもなく、H氏が希望者を案内してくれるとのこと。なんていい人なんだ。もしかして今回の添乗員さんは大当たり♪ 遠慮なくついていくことにする。結局、ツアー全員参加表明。誰だって5時間も狭い空港で缶詰なんてごめんだもんね。
スイスは通貨統合に参加してないので成田で苦労して両替してきたユーロが使えず、円をスイスフランに両替して市内までの往復チケットを購入。手数料とられちゃった。高いのぅ・・・。
手動のドアを開け列車に乗り込みいざ、懐かしのチューリッヒ市内へ!

HBhまでの所要時間、約10分。
往復10.80スイスフラン。自動券売機でも買えるけど、窓口で買うと硬券が発行されるのでお薦めです。


スイスの列車は乗り越し無賃がいかなる場合も通用しない国のようで、正規の料金を支払った切符を持ってなければ50CHFの追徴金がとられるとか。車掌さんも頻繁に回ってきますので要注意。
チューリッヒHbh前。この道をひたすらまっすぐ行くとチューリッヒ湖へ突き当たります。9月下旬でしたがチューリッヒはもう肌寒かったです。
空気の匂いが透き通っててすっかり秋模様。
添乗員氏、お薦めの場所、丘の上の公園からの眺め。
美しいのぅ・・。命が延びる気がするのぅ。イタリア止してこのままスイス旅行に切り替える?
公園の片隅でチェスを楽しむお達者クラブの面々。
チェス駒がおっきい。
スイスの国旗が翻る街角。
ヨーロッパの街角って国旗をよく見かけるよね。毎日が祝日みたい。(ほんとは「国」に対する意識の差なんだろうけど)


2時間半ほどの小観光を終え空港へリターン。





チューリッヒ〜ローマ


スイスエアライン



これから生死を共にするスイスエアライン確認! 
現地時間21:00 チューリッヒ空港、離陸

スイスエアラインの機内食は有料なのだ。ちなみにコーヒー一杯2.8E。約400円。これにクロワッサンがプラスされると6.2E。約880円。

最後にごはんを食べてから6時間以上経過。さすがに小腹が空いてきます。だからといって有料機内食なんてとんでもない。こういうときのためにJALからもらってきておいたピザパンがあるのですv さあさあ、ピザパンいらっしゃいませ〜っv 鞄の中からくだんのピザパンを取り出しモソモソ食す。うん、いける、ウマウマv 日本から持ってきた茶など飲みご満悦、したのもつかの間、いきなり機体が激しく揺れだして機内騒然。

なに?なんの騒ぎ?もしかして機内食買わずにJALパン食ったLXの祟り? ンなわけない。乱気流です。すごい乱気流〜〜。ぎゃあ!!!

そりゃまるで安全保障のないジェットコースター、垂直落下で座席から浮き上がり、すかさず派手な横揺れ縦揺れ、フリーフォールとスペースマウンテンとサイクロンとが一緒に来たような大騒ぎ。それがこれでもかと延々続き、本気で墜落を覚悟する。
断末魔、心の叫び。
「最後の晩餐、JALのピザパン? そんなバカな!」 

機長の腕と私の日頃の善行のおかげで無事、乱気流を乗り越えローマ到着。客室乗務員さんたちもあんまり経験がないらしく、少々興奮気味。驚いたねと言う彼らに見送られて絶叫マシンにさようなら。

・・・さようならするのがこの世じゃなくてほんとに良かった。



22:30 ローマ空港

ローマ空港の荷物受取所(右画像)。

荷物を待つ乗客以外人影が見あたらない。職員さんがたはもう終業時間かな。10時半すぎてるし。けど! 職員さんの事務所のドアの向こうからは無駄に大声のおしゃべりが聞こえてくる。いることはいるんだね、職員さん。

22:45 バスへ乗り込み今夜泊まるホテルへ向かう。
バスと運転手さんとはツアーが終わるまでお世話になるらしい。大型バスでわりと清潔そう。
バスの中でイタリアでの諸注意と基本情報など添乗員氏が説明。エアメールは80セントとな。メモメモ。
運転手さんを紹介するのに名前を聞いていた添乗員氏の声が裏返る。「マラドーナぁ〜!?」 どうやら運転手さんの名は「マラドーナ」というらしい。なんか、うそくさいんですけど。



23:00 ホテル着 アメリカンタイプの広くて清潔な部屋で一安心。

02:00 就寝。 明日の朝は6時にモーニングコールが鳴るそうです。初日からキツイぞっ!



←ホテルの窓から見えた景色